コラム

2024.04.19

ナレッジマネジメントにおけるAI活用の可能性

  • イノベーション
  • ナレッジマネジメント

近年ではAIを活用することで、より効果的にナレッジマネジメントを行うことができるようになりました。「社員がもっている暗黙知を形式知にする」「蓄積したナレッジを整理して検索しやすい状態にする」「更新や分析をする」。こういった作業は膨大なデータを学習できるAIを活用することで効率化でき、人の負担を大きく減らすのに有効です。本コラムは、ナレッジマネジメント×AIをテーマにまとめました。

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントとは、社員が持つ経験や知識、ノウハウなどの「ナレッジ」を社内で共有すること。個人の「暗黙知」を「形式知」へと転換し、社内にストックすることで、事業や企業の成長を目指す手法です。ナレッジマネジメントができると、人材の入れ替わりが頻繁にあるような状況でも、新しいスタッフが業務に取り組みやすいといったメリットがあります。一方で、社員の意識が低いと浸透しない、データを集めただけで活用に至っていないなどの課題に直面しているという声も聞かれます。

ナレッジマネジメントとは「情報共有」がゴールではない?

ナレッジマネジメントとAIの関係性

ナレッジマネジメントにおいてAIができることを4つのポイントをご紹介します。

知識の抽出と構造化

AIはマニュアルや研修資料など、内にあるデータをまとめて学習し、有益な情報を抽出。形式知としてデータベース化を行うことができます。社員の暗黙知を抽出するのは大変な時間と労力がかかりますが、AIを利用すれば、ナレッジの吸い上げも構造化もスムーズです。

知識の検索とアクセス

AIは、格納した膨大な情報を自動で仕分け、整理してくれます。それによって、社員は必要な情報を探しやすく、検索性もより高まることになります。また、テキストだけではなく画像や音声を検索する機能や、対話形式で必要な情報を探し出すといったシステムもあります。

知識の管理の効率化

AIでは、ファイルの分類やタグ付けができます。例えばファイルの種類、担当部門、テーマなど任意に分類すれば検索性もアップ。正確な関連性の表示と、自動化された更新作業により、組織成長や業績向上のスピードアップが期待できます。

学習と改善

機械学習によって、改善が必要な箇所をAIが自動で特定できるようシステムを導入すれば、既存のコンテンツをブラッシュアップしたり、新しいコンテンツを追加したりと、精度の高い情報提供を行うことができます。人が手動で更新する場合に比べて、改善の手間を大きく減らすことができるでしょう。

ナレッジマネジメントとAIを組み合わせるメリット

続いて、ナレッジマネジメントとAIを組み合わせた場合のメリットを考えてみました。

効率的な情報補修と整理

担当者が手動でナレッジをまとめて、更新するのは極めて大変なこと。なかなか理解や協力が得られなかったり、集めただけで力尽きてしまい結局活用まで辿り着けなかったり…。AIを組み合わせることによって、この作業は格段にスピーディに。情報の補修と整理はAIに任せ、社員は本質的な業務に取り組みたいです。

意思決定のスピードと精度の向上

経験豊富な社員や、優秀な社員持つノウハウが速やかに共有される状態を作ることで、若手社員が意思決定する際のスピードと精度も上がるはず。AIを組み合わせた良質なナレッジマネジメントをきっかけして、コミュニケーションが活性化したり、業務の連携が強化されるといったメリットも考えられます。

組織内のナレッジ共有の促進

AIを組み合わせたナレッジマネジメントは、他部署とのスムーズな連携を構築することにも有効です。部署や業務内容、職種の括りに関係なく情報へアクセスできるようになるので、組織全体でナレッジ共有が進んでいくと思います。他部署のノウハウがヒントになり、新しいアイデアや発想が生まれるかもしれません。

ナレッジマネジメントにAIを取り入れた事例

ナレッジマネジメントツール「saguroot」は、日本マイクロソフト株式会社のAzure OpenAI Serviceが提供する生成AIを組み合わせています。これによりPDFやOfficeデータをはじめとするデータから、ファイル内の文章、画像を含めて横断的・複合的な検索を高速で行うことが可能に。さらに検索結果は、サムネイルや資料に関する情報に加え、AIによって生成された100字程度の要約も表示されるため、資料データが検索の目的と合致しているか直感的に確認できるという特徴があります。Azureを利用することで、エンタープライズに対応するセキュリティ環境も構築しました。

ナレッジマネジメントツール「saguroot」に生成AIを組み合わせ、資料要約表示機能を開発

まとめ

AIによって一部の仕事は完全に取って代わられる、しかし、それ以上に新しい仕事が生まれるという予測がされています。大切なのは「AI 対 人間」という対立軸で考えないこと。AIと人間がうまく協業することが、いまビジネスの鍵を握っています。すべてのビジネスパーソンはAIを使いこなすスキルとともに、人間にしかできないスキルを磨かなければなりません。AIは脅威ではなく、味方。AIによって人間の能力は補完され、拡張されていくのではないでしょうか。

sagurootは、生成AIを組み合わせたナレッジマネジメントツール。生成AIで生成された要約によって資料を読む手間を省き、分類による絞込やサムネイル表示などにより、直感的な検索体験を実現。情報検索時間を短縮し、ナレッジマネジメントを効果的に促進します。

お役立ち資料

今すぐダウンロード

関連記事

 
  • TOP
  • コラム
  • ナレッジマネジメントにおけるAI活用の可能性