「ファイルサーバー検索」における課題と解決策
- イノベーション
市場のデジタル化はとどまることを知らず、さらにリモートワークが当たり前のワークスタイルとなった昨今、社内データの効率的な活用は重要な課題となっています。そこで必須といえるシステムが、ファイルサーバー。本コラムではファイルサーバーについての概要と、検索に対する課題と解決策などについて解説します。見直しを考えられている方に参考にしていただければと思います。
ファイルサーバーとは
ファイルサーバーとは、同じネットワークにつないでいるメンバーとファイルを共有するための場所です。LANなどのネットワーク上で、異なる端末からでもファイルをアップロードしたりダウンロードしたりできます。ファイルサーバーを導入する主な目的は、「全社の横断的な情報共有」「ファイルの一元管理」「バックアップ環境の構築」が挙げられます。ファイル共有サーバーを使えば、データの転送にかかる手間が減り、共有作業がラクに行えます。
ファイルサーバー内の検索機能
多くのOSはファイル共有機能が標準で付属しています。
ここではWindows、Macそれぞれについて、ファイルサーバー内のファイル検索機能について記載します。
Windows
エクスプローラーを開いて、検索したいファイルがあるフォルダを開きます。右上の検索ボックスに文字を入力すると、開いているフォルダ内にあるファイル名に対してファイル検索ができます。また、設定を変更すればファイル内の文字も検索できます。
Mac
Finderから、接続しているファイルサーバーを選択した上で、虫眼鏡アイコンにキーワードを入力して検索を行います。ただし、ファイルサーバーに対して直接検索のリクエストをかけるのは、負荷も高く、検索の時間もかかります。
ファイルサーバーの検索に対する課題
ファイルサーバーの検索に対する課題について、5点を挙げてみました。
検索速度
よく聞かれるのは、検索速度への不満です。使用するPCのスペック、ファイルサーバー自体のスペック、さらにサーバ内に大量にデータが格納されているなど使用容量の逼迫具合などによって、検索にはかなりの時間を要することもあります。また、ファイルサーバーが複数ある場合は、サーバーごとに検索しなければなりません。
検索精度
資料やデータのどこかに書かれてあったはずの断片的なキーワードの記憶で検索をかけてもヒットしない、というのもよくあるケース。検索して見つからない場合でも、そもそも検索精度を完全に信用できていないと諦めることができず、いつ検索をやめていいのかタイミングがわかりません。
検索結果
基本的に検索対象はファイル名で、検索結果には該当するファイル名だけが表示されます。同じキーワードを含んだファイルや、類似しているファイルは、すべて検索結果に上がってきてしまうので、どれが最新のものかわからなかったり、結局すべてを開いて読まないと、求めていたデータなのか判断できません。
ファイル形式
ファイル形式は、ファイル名の最後に付いている拡張子で区別できます。Excel・Word・PowerpointなどのOffice系のファイルや、PDFファイル・CSVなどのテキストデータ、CAD・画像・動画ファイルなど、さまざまな種類のファイル形式で格納している場合、すべてを横断して検索するのは難しいです。
セキュリティ
ファイルサーバーは、サイバー攻撃によるデータの破壊が起こるリスクがあり、甚大な被害につながる可能性もあります。そのためアクセスを制限したり、データを暗号化したりロックをかけたりしたりといったセキュリティ対策を行いますが、適切にコントロールするのは大変なことです。
ファイルサーバーの検索課題に対する解決策
ファイルサーバーの検索に課題が感じられたら、下記の実施を考えてみてください。
ハードウェアのアップグレード
年数が経つとファイルサーバーのOSやハードウェアが古くなり、パフォーマンスの低下につながりますので、よいタイミングでハードウェアをアップグレードしましょう。また、ファイルサーバーには容量があります。定期的に必要のないデータを削除することはサーバーの負荷を減らし、検索をスムーズにします。
検索アルゴリズムを改善
検索アルゴリズムとは、データの重要性や関連性を評価し、検索結果の表示順を決めるプログラムのこと。入力したキーワードにマッチした情報を探せる全文検索、サムネールを確認できる画像表示、ファイルに属性をつけられる機能など、検索機能を追加することができれば、スピードも精度も上がるはずです。
エンタープライズサーチやナレッジマネジメントツールと連携
社内のサーバー、クラウドのストレージ、ローカルなどさまざまな場所に保管されているデジタルデータを一括で横断検索できるエンタープライズサーチや、社員の知識や経験を共有してくれるナレッジマネジメントツールと連携すれば、検索の機動力は確実に高まります。
まとめ
多くの企業で、社内の資料やデータの保管場所としてファイルサーバー。しかしデータを格納したはいいものの、いざほしい情報を探そうとサーバー内を検索してみても、長時間待たされたうえに手応えのある検索結果が出てこない…という経験をした方も多いと思います。長年に渡り蓄積されてきたデータは宝の山です。データベースを使いこなせる環境とスキルは、ビジネスシーンにおいてますます大きな差を生んでいくのではないでしょうか。
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