コラム

2023.10.05

ノウハウ共有とは?効果的に共有するための方法

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個人が業務を遂行する中で蓄積される「ノウハウ」をチームや組織で共有することは、さまざまなメリットを生みます。まずはノウハウ共有の重要性を改めて理解しましょう。本記事ではノウハウ共有の概要から課題、方法や課題まで、ノウハウの共有について幅広く解説しています。業務の属人化による作業の非効率性に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ノウハウ共有とは?

ノウハウとは、専門的な知識や技術、情報のことを意味し、ビジネスシーンでは主に業務進行において必要となる知識全般を指します。ノウハウ共有とは、それらのノウハウを部署やチーム内で共有し、活用していくことです。自社が独自に持つテクノロジーや、営業に有効な売り込み術、トラブルシューティングの実績など、多様なものが含まれます。

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社内で共有されることが多いノウハウのご紹介

社内で共有されることが多いノウハウのご紹介

ノウハウの種類も基礎的な内容のものから専門的なものまで様々あり、部署や役職によっても共有されるノウハウは異なります。
ここでは社内で共有されることが多いノウハウとその共有方法についてご紹介します。

業務を行うための基本的なノウハウ
メールの書き方、ミーティングの進行方法、議事録の作成方法など業務を円滑に行うために必要なノウハウです。日々の業務で身に付くことも多いですが、研修などの共有の場を設けることで早く習得することができます。

ある程度の業務経験によって身に付くノウハウ
営業ノウハウやマーケティングノウハウなど実務を通して得られたノウハウのことを指します。具体的には、お客様との交渉術やマーケティング戦略の立て方などがあります。
定期的なワークショップの開催や文書化できるものは全員が閲覧できる環境が用意されていることが重要となります。

一部の限られた人材しか保有していないノウハウ
研究部門や企画部門などで生まれるノウハウは、社内で一人しかわからないノウハウなども存在します。このノウハウは言語化されていないことも多く、共有が難しいケースがほとんどです。
まずは言語化できる形に変換することが重要となります。

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ノウハウ共有の重要性

ノウハウ共有の最大のポイントは、業務の属人化を解消できることです。
ここでは以下4つのメリットについて解説します。

作業効率の向上
やり方がわからなくて悩んでいる時間、調べている時間は、スムーズな業務の進行を妨げます。もし自社の業務に必要なノウハウがわかりやすく集約されていれば、このような時間を削減できるでしょう。企業には社員の出入りや異動が付きものです。いつ誰がアクセスしても、その部署や職場で業務を行うためのノウハウが参照できるような仕組みが整っていることで、新しくその業務に従事する社員も速やかに取り組みやすく、作業効率は上がります。

組織全体の知識レベルの向上
ノウハウを共有することで、さらに高度なノウハウへ進化させることができます。例えば人によって説明の仕方が違っていた内容などが統一されると、業務のバラつきが小さくなり組織全体のレベルが上がっていきます。また部門を超えてノウハウが共有されれば、営業部門と技術部門の異なる視点や発想を組み合わせて新しい製品やサービスを開発できる、といった可能性も高まります。

組織の持続性
ノウハウが共有されていない場合、そのノウハウを持っている社員が休職した際に業務が滞ってしまったり、異動や退職と同時にノウハウを失ってしまうということが起こりえます。普段からノウハウの蓄積・共有を行う文化が根付いていれば、ノウハウの消失を防ぐことができ、「あの人がいないとどうにもならない…」というような属人化の状態を解消することができます。個人に依存しない持続可能な組織を目指しましょう。

従業員の成長
まだノウハウを持たない社員を、なるべく短期間で独り立ちさせることは、教育コストに関わる重要な課題です。ベテラン社員が毎年口頭で伝えていたことが、きれいに整理されていれば業務の内容や過去の経験則を新入社員も自主的に学ぶことができます。質問する前に自分で調べる。ほんとうにわからないことを聞く。というやり方が浸透すると、業務に対して能動的になり、成長のスピードも加速します。

ノウハウ共有の方法

Face to Faceからオンラインまで、ノウハウを共有する方法はいくつか挙げられます。
ここでは下記4つをピックアップしました。

勉強会やワークショップの開催
外部から講師を招くのではなく、社内だからこそできる勉強会です。社内勉強会やワークショップでは、その場にいる全員がそれぞれの知識をインプット・アウトプットし合う傾向があります。また、社員が求めているスキルに合わせてピンポイントなテーマを柔軟に設定することもできます。業務では接点のなかった社員同士の接点が生まれ、コミュニケーションの範囲が広がることもメリットです。

マニュアルやガイドラインの作成
以前から行われていた一般的な方法です。ノウハウは、個人の経験や感覚で処理され、言語化できていないものが多いため、テキストや図解、数値などによって、誰でも理解できるような形式で表現された「マニュアル」や「ガイドライン」に置き換えます。蓄積されたノウハウに変更があった際には情報の上書きして、常に“使える状態”にしておくことが重要です。

メンターシップを行う
メンターシップとは、メンバーのキャリアを親身になって応援するスタンスのことです。ここで言うキャリアには、プライベートまで含めた人生の歩み方が含まれます。メンターシップを行うには、話しやすい雰囲気が構築されていることが大前提で、お互いの信頼のもとメンターは専門的な知識や技術、情報、業界のリーダーやトレンドなどを伝えるとともに、個人のキャリアプランに必要な能力を身に付ける後押しもします。

オンラインツールを活用する
ノウハウを共有するオンラインツールは、属人的なノウハウを組織のノウハウとして蓄積共有することができるため便利です。基本的にフォーマットが統一されているので、誰でも簡単に入力できることや、作成したあとの更新や運用も効率的です。オンラインツールは、画像や動画も使えるため、わかりやすさも増すでしょう。現在、多くのツールが出ていますので自社の目的に合ったものを選んでください。

ノウハウ共有の課題

ノウハウを共有するメリットを理解しているにもかかわらず、
次のような課題も指摘されています。

一人が身に着けられるノウハウの量や種類に限界がある
ノウハウ共有は個々の社員がスキルアップをし、生産性を高めていくうえで非常に重要です。一方で社員一人が習得できるノウハウの量や種類には限界があるのも現実です。必要以上に詰め込むことは、かえって知識や技術の質を落としてしまうかもしれません。あらゆる分野の知識にハイレベルで精通することはとても難しく、負担も大きくなってしまいます。

内容が高度で形式化するのが難しい
有益なノウハウは個人が培ってきた経験に裏打ちされたものや、専門性の高いものが多いため、そもそも形式化するのが難しいという声も聞かれます。あまりにも高度な内容であれば、抽象度の高い表現になってしまう可能性もあり、例え形式化されたとしても、それを見るだけでは理解が及ばないかもしれません。他者が具体的な行動に落とし込むところに至らないのです。

文書化し整理し更新し続けるには多くのリソースが必要
社内に点在していたノウハウを集約するだけでも、相当な時間と労力がかかります。社員にノウハウを共有することの意味を理解してもらうことから始まり、協力してもらって完成!とここで終わりではありません。ノウハウを集約しても、実際に運用を始めると不足している情報が出てきたり、時間が経つと変更になるノウハウもあります。活用できるデータベースにするには、定期的なメンテナンスが必須です。

ノウハウからノウフーへの転換

ノウハウ共有の課題を解決するためには、ノウフー(KnowWho)の考えを取り入れることもポイントです。ノウフーとは、個人の知識や能力、経験値や実績などの情報をデータベース化することで、「誰が何を知っているのか」「どこにどんな業務のエキスパートがいるのか」といった社内の人材をリサーチできる仕組みのことです。詳しくはこちらのコラムをご参照ください。

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ノウハウ共有ツールの選定ポイント

「ノウハウ共有の方法」としてオンラインツールの活用を挙げましたが、ここではノウハウ共有ツールの選定ポイントをご紹介します。

ユーザビリティ
組織にいる全員が使用することを想定すると、使いやすさは重要になります。直感的でシンプルな操作性のツールが望ましいです。
また、ユーザー登録/削除を簡単に行えるツールであれば管理者にとっては嬉しい機能となります。

検索機能
ノウハウの量が増えてくると欲しい情報を簡単に見つけることができる検索機能の性能が重要になります。様々な条件で検索できるツールを選ぶと良いでしょう。

タレント検索
ノウハウ共有の課題を解決するためにはノウフーの考えを取り入れる必要があるとお伝えしましたが、ノウフーの考えを取り入れた機能がタレント検索機能になります。
蓄積されたノウハウと社員(タレント)が紐づけて管理できるツールであれば、ノウハウを知るだけにとどまらず、ノウハウが生まれた背景や周辺知識を直接聞くことができ、組織に眠る知識を有効に活用することができます。

まとめ

日々の業務を通して、きょうも社員にノウハウが蓄積されています。1年目、3年目、5年目とでは、自分の中に溜まった知識や技術、経験がまったく違うものになっているでしょう。それを全社員が積極的に共有することが当たり前になれば、事業の成長スピードはどれほどになるでしょうか。属人的なノウハウを社内に共有して組織力を上げる。さらにはそのノウハウを持つ人材を特定し、交流することまでできれば、より深いレベルでノウハウが定着します。組織が持つノウハウの価値を最大化するために、「ノウハウと人材をセットにして学ぶ」ことも考えてみてください。

sagurootはノウハウの蓄積に優れ、さらに情報に紐づく人材の価値に着目したナレッジマネジメントツール。AIを活用した横断的な資料の検索を通じて、情報と人材を可視化することで、社内のコミュニケーションを誘発し、企業のイノベーションを支援します。

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