コラム

2023.05.16

知的生産性とは?
向上させるための2つのアプローチ

  • イノベーション
  • 人材活用

知的業務によって生み出される知的生産性。その向上に組織が取り組むにはどのようなアプローチ方法があるのでしょうか。
成功のカギをにぎるのは、社内におけるナレッジ共有にあります。知的生産性の概要や向上施策とともに、これからの知的生産性向上のために大事なことをご紹介します。

知的生産性とは

知的生産性とは、知的業務による成果物を生み出す効率のことを指します。
例えばある企業の知的生産性が高い場合、その企業の従業員は効率的に知識や情報を収集し、それを基に問題を解決したり、新たな成果を生み出したりしています。

「生産性」とは、生産のために必要な要素が有効利用された度合いを意味します。人が何かを生産する際、有形のものは機械、土地、建物、エネルギー、原材料、労働者などが必要になります。無形のものは、労働者の頭脳の労力やパソコン、紙とペン、建物、デスクなどが必要です。これらの「生産要素」を投入することによって得られる産出物の割合、つまり生産効率のことを生産性と呼びます。

簡単にいえば、頭脳を働かせる仕事がどれくらいの効率で行われているかを示します。

知的生産性の産出物は、プログラムや企画書、レポート、会計計算書、建物の設計図など個人レベルの成果物もありますが、イノベーション、新規事業、研究結果などのより大きな単位での成果物もあります。
知的な活動の効率が良ければ良いほど生産性は高まり、同じ社員数でも組織や企業に与える価値が大きくなります。

知的生産性と労働生産性の違い

知的生産性と対になる言葉としては、「労働生産性」があげられます。
労働生産性は、労働による効率性を指します。
では、知的生産性と労働生産性はどのように異なるのでしょうか。

知的生産性は主にデスクワークなどの頭脳労働によって産出されるものに対して使われる言葉ですが、労働生産性は、工場などの物理的な製造工程による労働によって産出されるものに対して使われる言葉です。

生産性という観点では同じですが、産出されるものが異なります。労働生産性は、「1時間当たり何個」という製造物の数で単純に測ることができますが、知的生産性で生み出されるものは、単純に数で示すことができません。この点は大きな違いといえます。

知的生産性を高める重要性

知的生産性を高めることは個人や組織にとって非常に重要です。
その理由を以下に説明します。

1.アウトプットの量の増加
知的生産性を高めることで、作業効率が良くなるため、同じ時間・人員でもアウトプットの量が増加します。

2.新しい価値の創出
作業効率が良くなり、これまでやれなかった業務を行うことができ、異なる価値を創出できる可能性があります。

3.より質の高い成果物の創造
知的生産性が高い人材はより優れたアイデアや解決策を生み出すことができます。情報の収集や分析能力が高まることで、より質の高い成果物を生み出します。

知的生産性を向上させるための2つのアプローチーマインド醸成とシステム導入

知的生産性を向上させるためには、労働生産性のように単純に機械設備を投入したり、スピード上げたりするだけでは実現できません。
大きく2つのアプローチが考えられます。

マインド醸成

1つは、マインドを変えるということです。
知的生産性を向上させるためには、例えば次のことがアイデアとして挙げられます。

・チームで情報共有しながら計画・業務を遂行する

人はチームで協働しながら業務をしているという意識があると、よりモチベーションが高まるといわれています。チーム内で同じ目標に向かい、チームで一緒に立てた計画に沿って進めることで、生産性が上がります。また、社内ナレッジを互いに共有し合うなどのコミュニケーションも生産性向上につながります。

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・5分など小休止をはさむ

頭脳労働には、5分程度の休憩を定期的にはさんだほうが生産性が上がるといわれます。個人差はありますが、少なくとも時々頭を切り替える行為は有効と考えられます。

・やりがいや仕事量の調査を行う

知的労働者に対して、仕事にやりがいを感じているかどうかの意識面の調査と、行っている仕事の種類や量の調査を行うことで、非効率な面が見えてくることがあります。
例えば、創造性の高い業務に組織が期待している成果が現れない場合、時間を十分に注げていないケースがあります。その場合、業務量の調整をすることが一つの改善策となります。

これらのアプローチはあくまで例であり、他にもマインド醸成における知的生産性向上の方法はあります。

システム導入

知的生産性であっても、システムを利用することで、その業務の生産性を高めることはできます。

例えば、資料づくりやデザインなどにおいては、社内のナレッジにアクセスできれば業務効率が上がります。知りたい情報がどこにあるのかわからない状態では情報収集にばかり時間が取られてしまい、生産性が下がります。そこでナレッジを一元化して管理できるナレッジベースを活用できるツールやデータ共有ツールなどを導入することで、生産性が上がると考えられます。

マインド醸成とシステム導入は、どちらも知的生産性向上に必要なものといえます。そして、この2つを結びつけることが重要と考えられます。

「人」とのつながりが知的生産性を高める

知的業務は、個人の裁量が求められると考えられがちです。もちろん、その考え方そのものは間違っていませんが、昔から高度な技術というものは、人から人へと直接的に伝えられてきました。それは知的業務にも同じことが言えます。

現代のデータ技術を使えば、昔は「1人 対 1人」でしか伝えられなかった高度なナレッジやスキルを、より多くの人に継承することができます。

より知的業務の生産性を高めるためには、ただデータ共有できる環境を整えるだけでなく、社内で知恵や知見を持っている人を見つけ、つながることができる仕組みを整えていくことも重要です。

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まとめ

知的生産性は労働生産性とは異なり、単純に個数などで表されず、成果も様々な形となる、特徴的な意味合いを持つ概念です。その知的生産性を高めるためには、知的業務における情報共有が欠かせません。その際、マインド醸成に加えてナレッジを持つ「人」とのつながりを含めたデータ共有システムの構築は、これからの時代にあった、知的生産性向上の大きなサポートになるのではないでしょうか。

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