コラム

2024.04.19

ファイルサーバー移行の課題と解決策

  • イノベーション

ファイルサーバーとは、同じネットワークにつないでいるメンバー同士がファイルを共有するためのサーバーのこと。いま、技術の進化や業務効率化などに伴って、自社のサーバーからクラウドへと、ファイルサーバーを移行する企業が増えています。しかし、新しいファイルサーバーへの移行には、データの消失や業務の停滞といったさまざまなリスクもあります。本コラムは、ファイルサーバーの移行をテーマに、移行の方法や目的、課題や解決策、さらにはその機会を利用した社内改善について取り上げました。

ファイルサーバーを移行する方法

ファイルサーバーを移行する方法は、「自社で移行する」と「移行サービスを利用する」の2つがあります。自社で移行する場合のメリットは、データ容量やファイル形式などの融通が利くこと。もちろん費用も抑えられます。ただし、サーバー移行に関するノウハウやスキルを持った人材が必須で、移行作業に時間もかかります。プロに依頼して移行サービスを利用すると、短時間で移行が完了できます。デメリットは自社対応よりもはるかに費用がかかること。また、社内の機密情報を扱ってもらうことになるので、依頼先は慎重に選ぶ必要があります。

ファイルサーバー移行の目的

そもそもファイルサーバーを移行する目的とは何でしょうか?
5つの目的を整理しました。

ハードウェアのアップデート

使用年数に応じてファイルサーバーのOSやハードウェアが古くなると、パフォーマンスの低下につながります。ユーザー側が感じられるほどのパフォーマンス低下であれば、日々の業務に支障が出て、組織の生産性も下がるかもしれません。現行のファイルサーバーのサポート期限が近付いているタイミングにはぜひハードウェアの更新を考えたいです。

ソフトウェアのアップデート

サーバーの脆弱性を利用した攻撃は、システム障害やセキュリティ事故の要因になります。これらのリスクからシステムやデータを守るためには、ソフトウェア製品の開発側から提供されるセキュリティパッチを適用する必要があります。ソフトウェアの技術は日々進化しているので、アップデートは頻繁にする必要があります。

運用・保守コストの削減

長く同じファイルサーバーを使っている企業では、ファイルサーバーが分散されている傾向があります。複数のサーバーを使えば、当然運用コストも多くかかっています。こうしたファイルサーバーを移行して1つに統合すると、サーバー運用コストが削減できます。

データ容量の増加

オンプレミス型のサーバーとは、社内にサーバーや通信回線、システムを構築し、自社で運用を行うもの。容量に制限があり、空きがなくなるという問題が頻繁に起こりました。一方クラウド型のサーバは、プランを変更したりオプションを追加したりするだけで簡単に容量を増やすことができます。容量無制限のものもあります。

ファイルサーバー移行の種類

ファイルサーバーの移行の種類は2つです。

オンプレミス型からオンプレミス型へ

オンプレミス型のメリットは、カスタマイズ性に優れている点。自社でIT環境を整えるので、ニーズに合わせて細かく調整できるなど、自由度が高いです。自社サーバーを設置して社内ネットワークを構築するため、セキュリティの高さもポイント。また、既存システムと融合できるオンプレミス型であれば、既に導入しているシステムとの連携もできるので、膨大なデータを蓄積している場合、オンプレミス型を選択するのも一案です。

オンプレミス型からクラウド型へ

クラウド型は、社内にサーバーやネットワークを準備しなくても、インターネットを通じて必要に応じて利用できる仕組みのこと。利便性の高さや新技術へのいち早い対応、コストパフォーマンスなど、さまざまな面でクラウドに軍配が上がるため、近年では多くの企業がクラウド型のサーバーを導入しています。完全なクラウド化が難しい場合の折衷案として、オンプレミスとクラウドを接続する「ハイブリッドクラウド」という選択肢もあります。

ファイルサーバー移行の課題と解決策

新しいファイルサーバーへ移行する際には下記のようなリスクを伴うため、慎重に行わなければいけません。
この段落では主な注意点と解決策についてまとめました。

データの損失

移行中になんらかの障害が発生すると、データが破損する危険があります。最悪のケースでは、移行しようとしているデータだけではなく、ファイルサーバー内のすべてのデータが破損する可能性もゼロではありません。移行前には必ずバックアップを取ってください。

移行コスト

移行のコストは、データの量や内容によって変動します。大量のファイルやデータベースを移行する場合は、作業量が増えるため、費用も高くなるでしょう。また、高い性能を持つサーバーへの移行や容量の増加は、追加費用が発生することが多いです。暗号化などのセキュリティ対策の実施もコストアップの要因です。

セキュリティ

移行前の環境において、もし不適切なアクセス権などが潜在していたとすれば、それもそのまま引き継いでしまうといったセキュリティリスクもあります。サーバの統合やOSの最新化をしても、ファイルサーバーを管理する仕組みができていなければ、セキュリティ対策は十分とは言えません。

ダウンタイム

ダウンタイムとは、利用ができない期間のこと。ファイルサーバーの移行では、場合によって、ダウンタイムを必要とします。ファイルサーバーの移行には時間がかかります。データ量が大きいほど、時間は長くかかるので、データを小分けにするなどして負荷のバランスを調整することをおすすめします。

ファイルサーバー移行の機会を利用した業務効率化

ファイルサーバー移行は、先にあげたようなセキュリティの改善やコスト削減を目的として行われることが多いですが、その機会を利用した社内の改善も行うことができます。
格納するファイルの選別や分類を行うことになるため、保存したファイルやデータをどのように活用するかを見直すことで、社内の業務効率化などにつなげることができます。

業務効率化をサポートするsaguroot

必要なファイルの選別や分類を行ったうえで、それを直感的に検索することができれば、ノウハウの共有や検索時間の削減によって業務効率化を実現できます。
ナレッジマネジメントツール「saguroot」はAIによってファイル形式を問わず横断的な一括検索が可能で、ファイル名だけではなく、ファイル内のテキストや画像まで含めて検索できるため、業務効率化をサポートすることができます。

まとめ

数年前にファイルサーバーを設置したあとは、不足する容量を単純に増やし続けたり、もう1つファイルサーバーを設置したり、社員に「不要なデータを削除してください」と声をかけたり。その場しのぎで対応していた企業こそ、一度ファイルサーバーの移行を真剣に検討すべきだと思います。直近で大きな問題がないとしても、何かが起きてから切り替えるとなると、手間もコストも倍増するかも…。オンプレミス、クラウド、両者を組み合わせたハイブリッドクラウド。自社にふさわしいものをぜひリサーチしてみましょう。

sagurootは、ファイル形式を問わず横断的な一括検索が可能で、ファイル名だけではなく、ファイル内のテキストや画像まで含めて検索できるナレッジマネジメントツール。集約された保存場所で、自分が求めている情報をいつでも、どこからでも、効率的に見つけ出すことができます。

お役立ち資料

今すぐダウンロード

関連記事

 
  • TOP
  • コラム
  • ファイルサーバー移行の課題と解決策