ナレッジ活用が業務成功の鍵!
その理由とは?
- イノベーション
- 人材活用
労働人口の減少や、テレワークの拡大によって対面でコミュニケーションする機会が減っていることから、ナレッジマネジメントに注力する企業が増えています。個人が業務を通じて得たナレッジは、組織によって重要な資産です。ただしそれを単にデータとして共有するだけでは十分ではありません。本コラムでは「実際にナレッジを活用すること」に焦点をあて、そのメリットや課題、ポイントについて解説します。
ナレッジを活用するとは?
ナレッジを活用するとは、共有された情報や知識を理解し、使える知恵として実践に活かすことです。ナレッジを活用するためには、目的を明確にした上で自社にふさわしいナレッジマネジメントのシステムを導入することに始まり、ナレッジ活用を推進する人材を置くこと、システムの運用方法を決めることなども含めて継続的な働きかけが必要になります。ナレッジ活用がうまくいくと、イノベーションが生まれやすく新たな企業価値の創造が実現し、事業の成長へとつながっていきます。
ナレッジ活用とナレッジ共有の違い
ナレッジマネジメントには、データ整理→情報共有→知識理解→知恵活用という4つの段階があります。このうちナレッジ共有は前半の2つ、ナレッジ活用は後半の2つを指します。実際にナレッジマネジメントでは、データ整理と情報共有で留まってしまっているケースが多々あります。社内に散在するデータを集めて整理して検索できる状態にするだけでも大変な時間と労力がかかるため、作っただけで終了となってしまうことは珍しくありません。もちろんナレッジ共有の制度を整えることで、組織内のコミュニケーションはスムーズになり業務の効率化を図ることができます。しかし、これだけでは定型化された業務以上の対応は難しく、より高度な知識を必要とする知的業務においては、ナレッジを活用することが求められてくるのです。
ナレッジを活用することで得られるメリット
個人のナレッジを組織全体で活用したときに得られる効果はたくさんあります。
ここでは主な5つのメリットをピックアップします。
業務効率化
既に得られている知識を活用することで、過去に発生した同じ問題に対して何度も考える時間を削減することができます。
イノベーションの促進
蓄積してきたナレッジを組み合わせることで、より高度なナレッジに進化させたり、新しいアイデアや画期的な解決策を生んだりということが期待できます。過去のナレッジも、また違った視点や切り口で咀嚼すれば、イノベーションにつながることもあります。逆にどれほどたくさんナレッジを集めたとしても、活用することができなければ、業務の改善や経営に良い影響をもたらすチャンスは少ないと考えられます。
リスク管理
過去に類似のプロジェクトを行った経験がある場合、その時に起こった問題や原因をナレッジとして活用することで新たなプロジェクトのリスクを事前に対策することができます。
アウトプットの質の向上
経験豊富な社員や、優秀な社員が持つノウハウやコツを共有することは、社員全体のスキルアップにつながります。個人それぞれのパフォーマンスが上がれば、もちろん会社全体のレベルアップにもなるでしょう。ナレッジ共有を契機に部門間でのコミュニケーションが活性化し、相互理解が進展したり、共通認識が深まったりすると、業務の連携を強化できるためアウトプットの質が向上します。重要なナレッジを持った人材が離職した際に、業務の質が低下してしまうといったリスクも防げます。
人材教育、育成の効率化
業務に必要なナレッジを活用することで、教育の時間や労力、コストを軽減した効率的な社員教育ができます。教育する側のスキルや経験に影響されないことや、教え方のムラが防止できることもメリットです。また、過去に起きたことと同じようなトラブルが発生した場合にも、経験値の少ない社員でも適切な対処ができる可能性が高まります。
ナレッジ活用における課題
次に、ナレッジマネジメントを進める企業が直面しやすい3つの課題についてご紹介します。
ナレッジが点在しており、整理されていない
社内にあるナレッジをまとめたくても、そもそも社員が協力してくれなければナレッジを1箇所に集めることはできません。「優先順位の高い仕事に追われてナレッジを共有する時間は後回しになってしまう」「自分の共有すべきナレッジが何かがわからない」といった声がよく聞かれます。大切なのはナレッジを活用することの重要性や、個々の業務に役立つ理由などを社内にしっかりとアナウンスすることです。
ナレッジの量が膨大で探すのに時間がかかる
古いまま放置されている情報があったり、誰に対してもわかりやすい説明になっていなかったり、ツールが使いにくかったりといった理由で、自分が必要な情報にたどり着くのが難しいということもあります。「フォーマットやカテゴリー分けは適切か」「ナレッジを追加するときは既に蓄積した情報と重複していないか」などをチェックすることで検索性が高まり、ほしいナレッジをスムーズに見つけられるようになります。
ナレッジの背景や詳細な情報まで辿りつけず、うまく活用できない
単に共有されたデータを見るだけでは、それが導かれたプロセスや、先輩社員が辿ってきた経験や思考の過程までは伝わりません。つまり、ナレッジマネジメントで知恵を活用するためには、データを作った人材、その知恵を活用する人材が重要になってくると考えられます。このような人の思考過程を含んだナレッジマネジメントは、タレントマネジメントとも呼ぶことができます。
ナレッジ活用の成功はナレッジを持つ人材との交流
ナレッジを最大限に活用するためには、ナレッジを生み出した人材、知見を持つ人材との交流が鍵を握ります。ナレッジマネジメントの本質は、ナレッジの共有をきっかけにして人材同士が出会い、事業を加速させていくことです。素晴らしい成績を上げ続けている営業マンであれば、営業の手法だけではなく、その営業マンがどのような思いや考えを持って自身の営業スタイルを築いたのかといった背景までを含めて、ナレッジと人材のセットで共有するということが肝になります。
ナレッジマネジメントツールでナレッジを有効活用
ナレッジを最大限に活用するには、ナレッジを持つ人材との交流が鍵とお伝えしました。
社内に点在するナレッジとナレッジに紐づいた人材を一元管理するには「ナレッジマネジメントツール」が効果的です。
ナレッジマネジメントツールはツールによって様々な機能が搭載されたものがありますが、データ整理や情報共有といったいわゆるナレッジ共有のみに焦点が当てられているケースがほとんどです。
ナレッジを共有するだけに留まらず、有効に活用したいと考えている企業様は、“ナレッジ×タレント(人材)”の考え方を取り入れたツールを選ぶと良いでしょう。
まとめ
言語化、可視化されたナレッジは、もちろん幅広いシーンで役に立ちます。さらにナレッジにプラスして、ナレッジを所有する人材とも交流することができれば、より深いレベルで理解が深まり、新しいビジネスモデルの開発も可能になってきます。社員が培ってきたノウハウは、単に読み継ぐだけでは意味がありません。時代が変化しているにも関わらず同じことを繰り返すだけになってしまうかもしれません。ナレッジを上手く活用してビジネスを成長させるためには、「ナレッジとタレントをセットにして学ぶ」ということを意識してみてください。
sagurootはナレッジを持つ「タレント」に注目し、ナレッジの共有だけでなく、ナレッジを活用することを目的にしたツール。資料と担当者情報を紐づけ、知見をもった人材を可視化することで、人材同士のつながりを生み、企業内のコミュニケーションを誘発します。