コラム

ナレッジマネジメントと文書管理について

ナレッジマネジメントとは？

ナレッジマネジメントとは、知識やノウハウ、成功事例や失敗事例といったナレッジを社内で共有し、企業の成長につなげていく経営手法のこと。言語化が難しい「暗黙知」を、誰もが理解できる「形式知」へと転換し、全社員で活用することがナレッジマネジメントの目的です。社内でナレッジマネジメントがうまく回っていると、業務の効率化や組織内の連携の強化、人材育成の面でも効果を発揮します。

文書管理とは？

文書管理とは、業務上発生する契約書・マニュアル・報告書などの文書を、整理・保存・共有・廃棄といったライフサイクルに沿って一元的に管理する仕組みのこと。紙やデジタルの文書を適切に分類し、必要なときにすぐに取り出せる状態にしておくことが、文書管理の目的です。文書管理がきちんと行われていると、業務の効率化や情報漏えいリスクの低減、コンプライアンス対応の強化など、多くの面でメリットをもたらします。

ナレッジマネジメントで文書管理が求められる重要性

知識やノウハウといったナレッジは、多くの場合、文書という形で蓄積・共有されます。そのため、ナレッジマネジメントを効果的に運用するためには、文書管理が欠かせません。もし文書が整理されていなかったり、どこに何があるか分からなかったりすると、必要な情報にたどり着けず、ナレッジの活用が進みません。逆に、適切な文書管理を行うことで、社内にある知見や成功事例、業務マニュアルなどを迅速に共有でき、業務の効率化や属人化の解消につながります。また、バージョン管理やアクセス権の設定により、情報の信頼性やセキュリティも確保されます。つまり、ナレッジマネジメントの土台として、文書管理の仕組みは重要です。ナレッジを資産として活かすためにも、まずは文書の整備が求められます。

ナレッジマネジメントにおける文書管理の要点

ナレッジマネジメントで文書管理をする場合のポイントを解説します。

情報の取捨選択

情報の取捨選択は極めて重要です。すべての情報を残すことは現実的ではなく、逆に情報量が多すぎると必要なナレッジにたどり着けなくなる恐れがあります。そのため、共有すべき価値のある情報を見極め、業務の改善や効率化につながるものを優先的に蓄積することが必要です。具体的には、業務マニュアル、成功・失敗事例、FAQ、チェックリストなど、再利用性や再現性のある文書を中心に選別します。また、誰がどのような意図で作成したかといった背景情報を添えると、文書の意義や活用方法が明確になり、より有効なナレッジとなります。

情報のカテゴライズ

見落とされがちなのが、情報のカテゴライズです。ナレッジが蓄積されていても、分類が曖昧だと必要な情報を探すのに時間がかかり、活用されにくくなります。業務の種類、対象部門、利用目的、日付、作成者など、さまざまな視点から分類基準を設定し、検索性を高める工夫をしましょう。特に複数人で共有する環境では、カテゴライズのルールを統一することが不可欠です。属人的な整理ではなく、誰が見てもすぐに理解できる構造をつくることで、ナレッジの利便性と活用度が高まります。

情報の更新性

蓄積されたナレッジが古くなっていると、かえって業務に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、ナレッジマネジメントにおいては、情報の更新性を維持する仕組みが不可欠です。定期的に文書の内容を確認し、制度や業務フローの変更に応じて修正・差し替えを行ってください。また、誰が更新の責任を持つのかを明確にすることで、情報の鮮度が保たれやすくなります。誤った情報が残っていると、誤解やミスのもとになるため、常に「今の業務に合っているか」という視点を持ち続けることが、信頼性のあるナレッジ活用の第一歩です。

ナレッジマネジメントにおける文書管理におすすめの方法

ナレッジマネジメントで文書管理をする場合に推奨する方法を紹介します。

ナレッジマネジメントツールの活用

専用のナレッジマネジメントツールは、文書の作成・共有・検索・更新を一元管理できる機能が充実しているため、組織内の情報を効率的に循環させます。タグ付けやカテゴリ分け、アクセス権の設定といった機能により、「誰が、どんな情報に、どうアクセスするか」をわかりやすく整理できます。また、コメントや履歴管理も備えていることが多く、情報の鮮度や信頼性を保ちやすいのも特長です。クラウド型であればリモート環境からも利用でき、柔軟な働き方にも対応できるでしょう。導入にあたっては、自社の業務に合った機能や操作性をしっかり見極め、現場の意見を反映することがポイントです。

文書管理ツールの活用

文書管理ツールは、契約書や報告書、マニュアルなど多種多様な文書を効率よく整理し、保存・共有・廃棄までのライフサイクル管理をサポートします。バージョン管理機能により、誰がいつどのような変更を加えたかが明確になり、情報の信頼性を確保します。また、アクセス権限を細かく設定できるため、機密情報の漏洩リスクを抑えられます。検索機能やフォルダ構造、メタデータ管理などで必要な文書を素早く見つけることもできます。さらに、電子署名や承認ワークフローが組み込まれているツールもあり、業務の効率化やコンプライアンス強化にも貢献します。導入時は現場の使いやすさを重視しましょう。

まとめ

メールにチャットにSNS、クラウドドキュメント…いま、ビジネスの現場では膨大な量のテキストが生まれています。毎日大量の文書が飛び交うのに、それを使いこなす仕組みは、まだ整えられていない。せっかくの知見やノウハウも、どこかのフォルダに眠ったまま。そんな状況に、心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
必要なのは、文書を保存するのではなく、文書を活用するための転換です。社内の大切な資産である文書を、常に探しやすく、読みやすく、アップデートされた状態に保ちましょう。

sagurootは、AIを活用した横断検索により、必要な情報をスピーディに見つけ出し、その情報を持っている人との新たな接点を生み出すナレッジマネジメントツール。単なる文書管理にとどまらず、社内のコミュニケーションを促進し、イノベーションの土壌をつくる。そんな新しいナレッジの活用を実現します。