コラム

2025.08.26

DXを推進するナレッジマネジメントについて解説!重要性やポイントとは?

  • ナレッジマネジメント

デジタル技術を活用して、業務やビジネスモデルに変革をもたらす「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。近年は、多くの企業が取り組んでいますが、「ツールを導入しただけ」では思ったような成果が出ないケースも少なくありません。DXの現場では、社内に点在する知識をどう活かすかが要になります。そこで注目されるのがナレッジマネジメント。本コラムでは、DXとナレッジマネジメントの関係性や、その重要性、実践時のポイント、役立つツールについてご紹介します。

ナレッジマネジメントとDXについて

ナレッジマネジメントとは?

ナレッジマネジメントは、社員一人ひとりが持つ経験・ノウハウ・業務知識などを、組織全体で共有・活用していく仕組みのこと。情報の属人化を防ぎ、スピーディな対応や正確な意思決定を可能にする土台となります。

DXとは?

DXとは、AIやクラウド、IoTといったデジタル技術を活用して、業務プロセスの効率化や新たなビジネスモデルの創出を目指す取り組みです。単なるIT導入ではなく、企業文化や働き方、意思決定のあり方まで変えていく、組織全体の変革です。

DXにおけるナレッジマネジメントの重要性

DXはスピード感が命。技術や市場環境の変化が激しい今、過去の事例や属人化された情報に頼るのではなく、「組織全体でナレッジを活用できる環境」が不可欠です。ナレッジマネジメントがしっかりと機能していれば、正しい情報への迅速なアクセスが可能になり、意思決定がスムーズになるだけでなく、全社でノウハウが共有されていることで変化にも柔軟に対応できるようになります。さらに、異なる分野の知識がつながることでイノベーションの創出にもつながるでしょう。だからこそDXを推進するには、情報が整い共有されていることが重要なのです。

DXを進めるためのナレッジマネジメントのポイント

DXを進めるナレッジマネジメントを実行する際のポイントを解説します。

業務プロセスや環境のデジタル化

DXを成功させるには、まず紙ベースの資料や属人的な業務対応をやめて、情報をデジタル化し蓄積することが不可欠です。デジタル化により情報は検索しやすくなり、誰でも必要な知識にスムーズにアクセス可能に。これがナレッジの活用を促進し、業務効率やスピードアップに直結します。また、システム間の連携や自動化を進めることで、作業のムダやヒューマンエラーも減らせます。組織全体でデジタル基盤を整え、情報の一元管理を目指しましょう。

フォローアップや共有などの仕組み構築

ナレッジ共有は、ツールや仕組みを導入して終わりではありません。導入後も活用状況を継続的にチェックし、社員が実際に使いこなせているかフォローアップすることが成功の鍵です。活用が進まない場合は使い方の教育や運用ルールの見直しを行い、問題を早期に解決しましょう。また、ナレッジを共有することのメリットを社内で伝え続け、共有を自然な行動とする文化づくりも大切です。組織全体で「知識を持ち寄り、高め合う」意識を根づかせることで、持続的なDX推進が可能になります。

DXを推進するナレッジマネジメントツール

DXを推進するためのナレッジマネジメントツールについて、種類と選び方を説明します。

4種類のナレッジマネジメントツール

ヘルプデスク型

ヘルプデスク型は、ナレッジマネジメントツールの主流です。文書を中心としたファイルをデータベースにまとめておくことで、情報をほしい人はいつでもアクセスが可能に。社内で問い合わせの多い内容をFAQ形式でまとめる「FAQ構築ツール」や、企業内に保管されているデジタルデータを横断検索できる「エンタープライズサーチ」などがヘルプデスク型に該当します。

業務プロセス型

業務プロセス型は、知識のみならず業務の進め方についてのナレッジも同時に得ることを目的としたナレッジマネジメントツールです。コールセンター業務などで広く利用されており、顧客からの質問やクレームなどに対して過去に満足度の高かった回答を瞬時にオペレーター同士で共有できるのがメリットです。内容が高度な場合は、専門オペレーターや上司に交代できる機能が備わっているものもあります。

ベストプラクティス共有型

ベストプラクティス型は、優秀な社員が持っている知識やノウハウといった暗黙知を形式知化して、共有することで組織全体の能力水準を底上げする高度なナレッジマネジメントシステムです。例えばトップセールスマンの知識、思考パターン、行動パターンといったノウハウをマニュアル化し、ほかの社員でも再現できるようにするといったことが該当します。

経営資産・戦略策定型

経営資産・戦略策定型のナレッジマネジメントシステムは、部署や個人が所有するナレッジの分析を行い、経営戦略や意思決定に活かす方法です。経営資産・戦略策定型のシステムは、これまでの業務で扱った膨大なデータ量の整理と分析が必要となるため、DWH(データウェアハウス)などのツールを活用するケースが一般的です。

ナレッジマネジメントツールの選び方

上記を踏まえたうえで、ナレッジマネジメントツールの選定ポイントをまとめました。

過不足なく機能があるか

基本的な機能です。導入の目的や自社の課題に合わせて、必要なものを洗い出しましょう。
・ファイル共有:文書や画像などのファイルを一元管理し共有する機能
・情報検索:キーワードやタグなどでファイル内の情報を高速に検索する機能
・コメント&フィードバック:ファイルにコメントやフィードバックを付ける機能
・バージョン管理:ファイルの編集履歴を確認する機能
・アクセス権限管理:データの閲覧・編集・削除などの権限を設定する機能

操作性が良いか

ツール選定時に気を遣いたいのが操作性です。多機能かつ高性能なナレッジマネジメントツールでも、もし操作性が悪くて使いづらければ、結局使われないものになります。社員のITリテラシーには差があるのが現実なので、なるべく誰にでも簡単に操作できるものを選ぶようにしましょう。ほとんどのツールで無料トライアルが可能ですので、実際に使って操作性をしっかりと確認します。

人材別に検索できるか

ナレッジマネジメントの本質は、実はデータではなく人。常にナレッジを取りに行ける環境であることと同時に、社内のさまざまな強みを持ったエキスパートを発掘できる仕組みがあれば、業務効率も組織の成長も大きくアップします。ファイルとその担当者の情報を可視化し、社内コミュニケーションを活性化することも重要なポイントです。

まとめ

DXの本質が問われています。単に最新のツールを導入するだけでは、変化には追いつけません。鍵を握るのは組織の知をいかに見える化し、使える状態にするか。つまり、ナレッジマネジメントです。情報をデジタルで一元管理し、ナレッジを体系的に蓄積できれば、意思決定は速くなり、現場の判断にも筋が通ります。何よりも、社員一人ひとりの経験や知見が、組織全体の財産として活かされていく――そんな知識の循環が、新たなアイデアやイノベーションを生み出し、変化の激しい時代における持続的な競争力を支えていきます。

sagurootは、検索から知見・ナレッジを見出し、タレントを持つ人材とつなげることで、情報共有の先にある、情報の活用を実現するナレッジマネジメントツール。DXの基盤を支えるとともに、企業が柔軟に進化していくための知のインフラを築きます。

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