コラム

2025.02.12

ナレッジデータベースとは?
メリットから作り方、ポイントまで解説

  • ナレッジマネジメント

情報の爆発的な増加とともに、その情報をどのように整理し、効果的に活用するかが企業の成長に直結しています。特にナレッジデータベースは、従来のファイル共有やドキュメント管理に比べて、検索性やアクセス性を大幅に向上させる強力な武器として注目されています。しかし、単にツールを選ぶだけでは効果を最大化することはできません。本コラムでは、ナレッジデータベースの基本的な情報とその活用方法について解説していきます。

ナレッジデータベースとは?

ナレッジデータベースとは、データベースという言葉が含まれているように、情報が体系的に整理された「データの集合体」のこと。具体的には、コンピュータ上で情報を効率的に検索、更新、保存できるように構造化されたデータベースシステムを指します。例えば、企業が顧客サポートのために保有するFAQやマニュアル、過去のトラブルシューティング情報などが格納されているシステムがこれに該当します。

ナレッジデータベースが注目されている背景

なぜ近年、こぞって企業はナレッジデータベースの構築に取り組み始めたのでしょうか。それには次のような背景があります。

「人」の流動性が高まっている

一昔前までは終身雇用が一般的でしたが、近年では転職が当たり前になり、ひとつの会社に留まり続ける人が少なくなったからです。企業としては常に人がいなくなってしまうリスクを考えなければなりません。しかし組織内では知識が体系化されていないことも多く、勘や経験だけに基づいた属人的な業務も少なくありません。そうした中、業務知識やナレッジの引き継ぎがしやすい体制を作る必要性が高まっています。

技術の進化でデータとしての共有がしやすくなった

技術の進化によって、データを残しやすくなったことも背景として挙げられます。パソコンやスマートフォンなどで作成した文書や画像、映像はデータとして手軽に共有できるようになりました。そのデータ共有ツールも豊富にあり、検索性も高まっています。ナレッジベースを構築・活用しやすい環境といえます。

リモートワークの増加

近年、リモートワークが一般的になり、従業員がオフィスにいなくても必要な情報にアクセスできるような環境が求められるようになったことも背景のひとつです。

ビジネスプロセスの効率化

働き方改革の影響もあり、多くの企業で業務の効率化が求められるようになりました。そうした中、システムやツールを利用した業務効率化の一つとしてナレッジベースの活用があります。

ナレッジデータベースのメリット

ナレッジベースを整備することには、多数のメリットがあります。まず、情報のアクセシビリティが向上します。ナレッジベースが一元化されることで、従業員や顧客は必要な情報を素早く取得できるようになり、業務の効率が大きく改善されます。特にカスタマーサポートの場面では、よくある質問やトラブルシューティングガイドを提供することで、問い合わせ対応にかかる時間やコストの削減につながります。またナレッジデータベースは、業務の早期習得を加速させることができ、教育の効率化を図ることができるため新入社員の育成にも大いに役立ちます。社内の知識を広く共有をすることで、問題解決のスピード化、組織全体の生産性アップ、イノベーションの創出にも好影響です。

ナレッジデータベースの活用シーン

ナレッジデータベースを活用できるシーンや事例を3つピックアップしてみました。

人材育成

ナレッジデータベースを活用すれば、ノウハウや知識を受ける側にとって、学習しやすくなり、利便性が高まります。文字情報だけでなく、画像や動画でも情報として残せるため、より習得しやすくなります。人によって教え方が違ったり、一度聞いただけでは覚えられなかったりというケースが改善します。

問い合わせ対応

FAQに反映させることができるため、社内外の問い合わせ対応に活用できます。例えば、ECサイトのFAQやチャットボットのデータベースとして反映させたり、社内のヘルプデスクの代替としてFAQシステムを導入し、社員が自由に検索しやすくするといった活用方法も考えられます。

企業内検索システム

社内で蓄積された文書、マニュアル、報告書、プロジェクト資料、メールの内容など、さまざまな形式の情報検索し、企業が持つ膨大な情報やデータの中から、必要な情報を迅速に取り出せるようになります。

ナレッジデータベースの作り方

ナレッジデータベースを作ることになった際、何から手をつけていいか迷うかもしれません。
基本の手順を以下にご紹介しますので、参考にしてください。

STEP①目的を明確にする

一言でナレッジデータベースといっても、部署や部門、組織で求めるものは異なります。専門的な技術をシェアするためなのか、顧客サポートのためなのか。社内のニーズを把握して目的を決めるところがスタートです。

STEP②情報を収集・整理する

ナレッジデータベースに含める情報を収集し、整理します。情報が多岐にわたる場合はカテゴリごとに分けたり、タグを作成します。不要なものまで蓄積すると管理が複雑になるため、情報は多ければ良いわけではありません。

STEP③ツールを導入する

上記を踏まえて、自社に適したツールやプラットフォームを選びます。近年では多くの企業が専用のナレッジベースソフトウェアを導入しています。操作性、機能性、セキュリティ、価格など比較検討しましょう。

STEP④コンテンツの作成

実際にナレッジデータベースにコンテンツを作成します。マニュアル、トラブルシューティングガイド、FAQなど、社員が求める情報を簡潔でわかりやすく提供できるように、ナビゲーションや検索機能を最適化します。

STEP⑤定期的に更新・改善する

一度作ったら終わりではなく、定期的に情報を更新し、改善していくことが重要です。ユーザーからのフィードバックを収集し、新しい質問や問題が出てきた場合にそれに対応する内容を追加します。

ナレッジデータベースのツールの種類

ナレッジベースを活用することができるツールには代表的なもので以下のものが挙げられます。

社内wiki型

自分の知識や経験を自由にwikiに書き込むことができ、他の人が書いた投稿に対しても編集したり参照したりすることができます。

ヘルプデスク型

事前に想定されるFAQを登録することで、社員や顧客が質問したいときに必要な情報をすぐに引き出すことができます。チャット形式で回答を返してくれるプログラムなどもあります。

グループウェア型

メールやチャットを使い、組織内のメンバーとファイルやスケジュールを共同で管理し、コミュニケーションを円滑に行うことができます。

データベース型

データベースとして蓄積された組織の情報や知識を簡単に検索することができます。

データマイニング型

蓄積された大量のデータからパターンや関連性を発見し、それを新たなナレッジとして活用することができます。

ナレッジデータベースを作るポイント

ナレッジデータベースの作成には、時間も労力も費用もかかります。なるべく効率的に推進するために、担当者は成功のポイントを踏まえておきましょう。

検索性・管理性が高いツールを選ぶ

質の高いツール、自社に適したツールは、ナレッジマネジメントの強い味方です。直感的で使いやすいインターフェースを備えており、ユーザーがストレスなく高度な情報検索ができることが、もっとも重要です。外部ツールとの連携も管理の観点からはチェックしておきたいです。

運用まで想定した設計を行う

社員のフィードバックを積極的に取り入れ、改善を続けることが成功への鍵です。どの情報が役立ったか、またはどの部分が改善すべきかを定期的に確認し、更新・見直しを行い続けます。管理する部門、責任者、担当者、ナレッジマネジメントプロジェクトにかける工数も確保して、常に活きたナレッジ運用を実現します。

まとめ

ナレッジデータベースを構築する最大の目的は、個人や組織の力を引き出し、経営に貢献することです。しかし、少し視点を変えてみると、情報を整理し、社内でオープンにシェアすること自体が「楽しい」と感じられる場面もあります。自分の経験や学びを体系的にまとめるプロセスでは、新たな発見があったり、自己成長が実感できたりします。また、自身の情報が同僚の役に立ち、感謝される体験は、社員一人ひとりの会社へのエンゲージメントを高める効果もあります。情報を自分だけで抱え込んでいても、発展はありません。ナレッジデータベースを積極的に整備・活用し、組織全体の成長を促進していきましょう。

sagurootは、高度な知的業務を実現するため、社内の「ナレッジ」と「タレント」を見つけることに優れたツール。検索から知見・ナレッジを見出し、タレントを持つ人材同士をつなげることで、情報共有の先にある情報の活用を着実に実現。イノベーションを生み出し、企業の成長に貢献します。

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