コラム

2024.07.26

ナレッジマネジメントツールとは?種類や導入メリットなどまとめて解説

  • ナレッジマネジメント

人材の流動化や働き方改革、業務のDX化にともない、ナレッジマネジメントへ取り組む企業が増えています。ナレッジマネジメントを効率よく進めるには、専用のナレッジマネジメントツールを導入するのが一般的です。今回は「ナレッジマネジメントツール」をお題に取り上げ、機能、導入メリット、注意すること、選び方について解説します。まさにいまナレッジマネジメントツールの導入を検討している方、現在使っているツールを再考したい方は参考にしてみてください。

ナレッジマネジメントツールとは?

ナレッジマネジメントツールについて知るために、初めに基本的な情報を整理しましょう。

ナレッジマネジメントツールの概要

ナレッジマネジメントツールとは、社員が持つ知識や経験を社内に共有することを目的としたツールのこと。
専用のツールを採用することで、より効率的なナレッジマネジメントを行なうことができます。

ナレッジマネジメントとは?

ナレッジマネジメントとは、ベテラン社員が経験によって培った勘やノウハウなど、言語化することが難しいものを文章や図表・数式を用いて説明できるかたちに変換し、社内で共有することです。

ナレッジマネジメントの重要性

人材の流動性が激しくなっているいま、蓄積・継承されてきた知識が組織内で引き継がれることなく、人材が入れ替わってしまうことが増えています。
組織の貴重な知的資産を継承するために、その重要性が注目されています。

ナレッジマネジメントツールの種類

ナレッジマネジメントツールは、主に以下の4種類に分けられます。
タイプ別に特徴や用途などを紹介します。

ヘルプデスク型

ヘルプデスク型は、ナレッジマネジメントツールの主流です。文書を中心としたファイルをデータベースにまとめておくことで、情報をほしい人はいつでもアクセスが可能に。社内で問い合わせの多い内容をFAQ形式でまとめる「FAQ構築ツール」や、企業内に保管されているデジタルデータを横断検索できる「エンタープライズサーチ」などがヘルプデスク型に該当します。

業務プロセス型

業務プロセス型は、知識のみならず業務の進め方についてのナレッジも同時に得ることを目的としたナレッジマネジメントツールです。コールセンター業務などで広く利用されており、顧客からの質問やクレームなどに対して過去に満足度の高かった回答を瞬時にオペレーター同士で共有できるのがメリットです。内容が高度な場合は、専門オペレーターや上司に交代できる機能が備わっているものもあります。

ベストプラクティス共有型

ベストプラクティス型は、優秀な社員が持っている知識やノウハウといった暗黙知を形式知化して、共有することで組織全体の能力水準を底上げする高度なナレッジマネジメントシステムです。例えばトップセールスマンの知識、思考パターン、行動パターンといったノウハウをマニュアル化し、ほかの社員でも再現できるようにするといったことが該当します。

経営資産・戦略策定型

経営資産・戦略策定型のナレッジマネジメントシステムは、部署や個人が所有するナレッジの分析を行い、経営戦略や意思決定に活かす方法です。経営資産・戦略策定型のシステムは、これまでの業務で扱った膨大なデータ量の整理と分析が必要となるため、DWH(データウェアハウス)などのツールを活用するケースが一般的です。

ナレッジマネジメントツールの主な機能

ナレッジマネジメントツールで搭載されている一般的な機能には下記などがあります。

ヘルプデスク(FAQ)

業務中に出てきた質問に対して、社員同士で回答しあえる機能がヘルプデスク(FAQ)です。
何度も同じ内容の問い合わせが来て、その度に同じ回答をするのが非効率である、カスタマーサービスのオペレーターが不足している、などの状況を改善するのが目的です。

ファイル共有(ドキュメント管理・文書管理)

社員同士でファイルの送受信ができるほか、タグ付けが行えるなど情報を取り出しやすくするための機能です。
文書ドキュメントに特化し、検索性に長けているのが特徴で、文書ドキュメントを整理して、必要なときに必要な文書にアクセスできるようにします。

ナレッジマネジメントツールを導入するメリット

ナレッジマネジメントツールを導入すると、どんな悩みが解決できるのでしょうか。
5つのメリットを洗い出してみました。

ノウハウの属人化を防止する

ナレッジマネジメントツールは、属人化の解消に有効です。業務進捗の管理やチームのスムーズなコミュニケーションを促すものにはじまり、前述のヘルプデスク(FAQ)や、ファイル共有(ドキュメント管理・文書管理)など属人化の解消に役立つツールは多数あります。適切なツールを選んで、本質的な業務に集中できる環境が整うことで、効率よく属人化の解消が進みます。

社員のスキルアップが期待できる

ナレッジマネジメントツールによって、個々の社員が持っていた技術やノウハウが集約されば、そこに検索するだけで必要な情報が得られるだけではなく、ベテランスタッフの時間や労力の削減に。質の高いナレッジが行き渡ることで、すべての社員のナレッジ・スキルを底上げできます。また成功事例や失敗事例を分析することで、新しい製品やサービスの開発にもつなげられます。

検索機能によってノウハウのアクセシビリティが向上する

アクセシビリティとは、誰もが提供されている情報やサービスを利用できることを指します。ナレッジマネジメントツールの中でも、検索機能に特化したツールを導入すれば、複数のファイルサーバの検索に加えて、Boxなどのクラウドストレージも含めた一括検索が可能で、必要な情報にたどりつくのにかかる時間を大幅に削減でき、アクセシビリティが向上します。

データ統合が容易にできる

各種ナレッジを集めたものの、問題になりやすいのが分散したデータの統合です。さまざまなシステムに、さまざまな形式で蓄積されたデータを統合する場合、結局見直して担当者が整えなければならないケースも多々あります。ナレッジマネジメントツールでは、システムやサーバ、各種データベースと連携してデータ抽出ができるものもあり、ナレッジを効率的にまとめることができます。

ナレッジを持つ社員を可視化できる

情報源がわからず、何人にもメールしたり電話したりといった経験はないでしょうか?ドキュメントファイルの作成者がわかれば、そのナレッジを持っている社員を特定できます。読めばわかるナレッジももちろんありますが、より深く知りたい場合は直接その社員と話したほうがスムーズかもしれません。情報の共有範囲を広げれば、異なる支店や部門をまたいだ交流も生まれやすいです。

ナレッジマネジメントツールを導入する際の注意点

いよいよナレッジマネジメントツールを導入することが決まった場合、何に気をつければよいのでしょうか。
2点、取り上げてみました。

導入コストや機能を精査する

エクセルやスプレッドシートであれば無料で使用できるのに対し、専用ツールの導入にはコストがかかります。ナレッジマネジメントの目的を明確にし、企業としてどれほどの費用をかけるべきか費用対効果を見極めなくてはなりません。機能もやみくもに多ければいいわけではないので、自社の課題解決に必要な機能を精査する必要があります。いくつかのツールを比較検討してみてください。

自社のナレッジマネジメントの目的に適したツールを選定する

ナレッジマネジメントは重要らしいから…。他社がやっているからうちも…。もしナレッジマネジメントツールを導入することが目的になってしまっていたら要注意。ナレッジマネジメントをうまく活用できない可能性があります。どのような目的でナレッジマネジメントに取り組むのか。社員にもたらされるメリットは何か。ナレッジマネジメントツールはどう役立つのかを言語化して、目的に合致したものを選びましょう。

ナレッジマネジメントツールの選び方

最後に、メリットや注意点を踏まえた上で、ナレッジマネジメントツールの選定ポイントをまとめました。

過不足なく機能があるか

基本的な機能としては、下記があります。
導入の目的や自社の課題に合わせて、必要なものを洗い出しましょう。
・ファイル共有:文書や画像などのファイルを一元管理し共有する機能
・情報検索:キーワードやタグなどでファイル内の情報を高速に検索する機能
・コメント&フィードバック:ファイルにコメントやフィードバックを付ける機能
・バージョン管理:ファイルの編集履歴を確認する機能
・アクセス権限管理:データの閲覧・編集・削除などの権限を設定する機能

操作性が良いか

ツール選定時に気を遣いたいのが操作性です。多機能かつ高性能なナレッジマネジメントツールでも、もし操作性が悪くて使いづらければ、結局使われないものになります。社員のITリテラシーには差があるのが現実なので、なるべく誰にでも簡単に操作できるものを選ぶようにしましょう。ほとんどのツールで無料トライアルが可能ですので、実際に使って操作性をしっかりと確認します。

人材別に検索できるか

ナレッジマネジメントの本質は、実はデータではなく人。常にナレッジを取りに行ける環境であることと同時に、社内のさまざまな強みを持ったエキスパートを発掘できる仕組みがあれば、業務効率も組織の成長も大きくアップします。ファイルとその担当者の情報を可視化し、社内コミュニケーションを活性化することも重要なポイントです。

まとめ

「ナレッジマネジメントツール20選!」といったまとめサイトが多くあります。それらを読む前に、まずは自社でツールを導入したい目的や社員にもたらされるメリット、運用イメージなどを整理するところからプロジェクトを進めてください。また、ナレッジマネジメントツールの導入を成功させる重要なポイントは、社員のナレッジマネジメントへ対する意識を醸成することに尽きます。目的は導入ではなくて、活用です。成功すれば業務は効率化され、生産性は向上し、個人のスキルもアップする…と利点ばかりです。精査してみください。

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