コラム

2025.08.26

業務引き継ぎ書とは?作成手順からわかりやすい作り方のポイントまで解説

  • 生産性向上

業務の円滑な引き継ぎを実現するために欠かせないのが「業務引き継ぎ書」です。これがあることで、担当者が変わっても重要な情報や作業手順を漏れなく伝えられ、トラブルやミスを防ぐことができます。とはいえ、ただ作成すれば良いわけではなく、わかりやすく整理された内容であることが重要です。本コラムでは、業務引き継ぎ書の基本的な役割や記載すべき項目、作成の流れを紹介しながら、実際に作る際のコツや注意点についても取り上げました。これから引き継ぎ書を準備する方の参考になればと思います。

業務引き継ぎ書とは?

業務引き継ぎ書とは、担当者が変わる際に業務の内容や進行状況、注意点などをまとめた書類です。これにより、新しい担当者がスムーズに業務を理解し、引き継ぎ後も問題なく業務を継続できるようになります。具体的には、業務の手順や使用するツール、関係者の連絡先、過去のトラブル対応などが記載されます。引き継ぎ書は属人的な知識の共有を促し、業務の停滞やミスを防ぐ役割を果たします。また、組織全体の生産性向上やリスク軽減にもつながるため、丁寧で分かりやすい作成が求められます。日常業務の中で更新しやすい形にしておくと、急な担当変更にも対応しやすくなります。業務引き継ぎの成功は、組織の安定運営に欠かせない重要なポイントです。

業務引き継ぎ書の重要性

業務引き継ぎ書を作成することは、組織の安定した運営に欠かせません。引き継ぎ書をきちんと作成すれば、新担当者がスムーズに業務を理解でき、継続的な業務遂行が可能になります。また、引き継ぎ内容が明確になることで、トラブルの早期発見や対応もスムーズになり、組織のリスク管理にも貢献します。このように、業務引き継ぎ書は単なる書類以上の価値があり、リスク回避と効率化の両面で重要な役割を担っています。一方で、業務引き継ぎ書がないと、担当者交代時に業務内容が正確に伝わらず、作業の遅れやミスが発生しやすくなります。特に属人的な知識やノウハウが共有されない場合、引き継ぎ後に同じトラブルが繰り返されたり、重要な業務が抜け落ちるリスクが高まります。結果として、業務効率の低下や顧客対応の不備、さらには組織全体の信用を失ってしまうという恐れもあります。

業務引き継ぎ書で記載する項目

業務引き継ぎ書には、新しい担当者がスムーズに業務を理解し、引き継げるように必要な情報を漏れなく記載します。これらの項目を丁寧にまとめることで、新担当者がスムーズに業務を引き継ぎやすくなります。

・業務概要
担当している業務の目的や全体像を簡潔に説明します。

・具体的な業務内容・手順
日々の作業内容や進め方、注意点を詳細に記載し、実務で迷わないようにします。

・進行中の案件・タスク
現在取り組んでいるプロジェクトや期限が近いタスクの状況を明示します。

・使用ツール・システムの情報
業務で使うソフトやシステムの名称、ログイン情報、操作方法のポイントなどをまとめます。

・関係者・連絡先
業務に関連する社内外の担当者や取引先の連絡先を記載します。

・過去のトラブルや注意点
よくある問題や過去に起きたトラブルとその対処方法を共有します。

・その他重要情報
特別なルールやマニュアル、参考資料の場所などがあれば添付や記載を行います。

業務引き継ぎ書作成における全体の流れ

内容の整理と実際の進行。業務引き継ぎ書の作成には、主に2つのフェーズがあります。

引き継ぐ業務の洗い出し・整理

まずは現在担当しているすべての業務をリストアップします。ルーティン作業から、プロジェクト単位の仕事、突発的な対応まで漏れなく洗い出すことが大切です。業務の優先度や重要度も整理し、どの業務が特に注意が必要かを把握します。また、業務の内容や目的、関連するツールや関係者もまとめておくと、後の引き継ぎ作業がスムーズです。この段階で曖昧な点や不明な部分があれば確認し、正確な情報を揃えることがポイントです。

引き継ぎにかかる全体スケジュールを作成

次に、引き継ぎ全体のスケジュールを作成します。引き継ぎ開始から完了までの期間や各段階の具体的な期限を設定し、関係者と共有します。例えば、引き継ぎ書の作成期間、説明会やミーティングの日時、新担当者の実務習熟期間などを計画的に組み込みます。これにより時間的な余裕を持ちながら、段階的に知識を伝えることが可能です。スケジュールは柔軟に調整できるようにし、急な変更やトラブルにも対応できる体制を整えてください。

業務引き継ぎ書作成におけるポイント

一般的なポイントを3点ピックアップしました。

わかりやすさを重視したまとめ方

業務引き継ぎ書は、読む人が迷わず理解できることが最も大切です。専門用語や略語は必要に応じて説明を加え、箇条書きや見出しを使って情報を整理しましょう。長文を避け、簡潔かつ具体的に記述することで、重要なポイントがすぐに把握できます。また、実際の作業手順はステップごとに分けると理解しやすくなります。引き継ぐ側の視点に立ち、「もし自分が初めてその業務を担当するとしたら?」という目線で内容を検証することも効果的です。

レイアウトを統一する

業務引き継ぎ書は情報量が多くなりがちなので、レイアウトを統一して見やすくすることを心がけてください。フォントや文字サイズ、見出しのスタイル、箇条書きの形式などを統一すれば、読み手がストレスなく情報を追えます。また、重要な部分は太字や色分けで強調するのも効果的です。表や図を活用して視覚的に整理するとさらに理解が深まります。統一感のあるデザインは、引き継ぎ書の品質向上につながり、信頼感も高まります。

更新・運用しやすい形式にする

一度作って終わりではなく、内容を随時アップデートしながら使い続けるものです。そのため、誰でも簡単に編集・更新できる形式にしておくことが大切です。編集しやすいファイル形式で保存したり、社内Wikiなどのナレッジ共有ツールを活用するのもおすすめです。また、更新履歴を残す、最終更新日を記載するなど、情報の鮮度を保つ工夫も重要です。現場の変化に応じて柔軟に対応できるようにしておくことで、引き継ぎ書の実用性が高まります。

まとめ

リモートワークの浸透や人材の流動化が進む今、業務の引き継ぎは「いざという時」ではなく「日常的に備えるべきこと」になっています。業務引き継ぎ書は、いわば仕事を次の人へバトンタッチするための設計図。内容がきちんと整理されていれば、引き継ぎを受ける側も安心して業務をスタートできます。大事なのは、どんな書き方であれば初めての人にもわかりやすいか、相手のことを考えてまとめることです。専用ツールを導入して、業務の引き継ぎを組織を強くするチャンスに変えていきましょう。

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